保健科学東日本の薬物代謝酵素関連遺伝子検査・CYP2D6・CYP2C19について
保健科学東日本で実施している薬物代謝酵素関連遺伝子検査の1つにCYP2D6を調べるものがあります。
CYP2D6は、中枢神経系薬(アミトリプチリン)、β遮断薬(アテノロール)、抗不整脈薬(エンカイニド)など50種類以上の薬物を代謝させる作用を持つ酵素です。
日本人で代謝が欠損しているPoor Metabolizerと呼ばれる人は1%未満だと言われていますが、代謝が低い傾向にあるIntermediateMetabolizerと呼ばれる人は15~20%にも上ると言われています。
逆にUltrarapid Metabolizerと呼ばれる代謝が高い人も存在しています。
CYP2D6の代謝は、個人差が非常に大きいです。
CYP2D6多型に起因するため、保健科学東日本の遺伝子検査で代謝の機能を予測できます。
治療をする前に代謝機能がどのくらいなのか把握することで投薬の方針を決めたり、創薬の治験を行ったりする際にも役立ちます。
また、保健科学東日本では、プロトンポンプ阻害剤(オメプラゾール)や抗不安薬(ジアゼパム)、抗てんかん薬(S-メフェニトイン)などの薬の代謝に作用する酵素・CYP2C19に関する検査も行っています。
2C19遺伝子の中にG681AやG636Aといった点変異が認められた場合、酵素の活性が低下すると明らかになっています。
その中でも、プロトンポンプ阻害剤を使用するピロリ菌を除菌する治療だと、本多型が除菌の成功率を左右することも判明しているのです。
CYP2C19は、私たち人間の重要な薬物代謝酵素として知られているシトクロムP450の一種です。
日本人の場合は、5人に1人という高い割合で活性が低いと言われています。
CYP2C19の活性が低い人は、十二指腸潰瘍や胃潰瘍の原因として知られているピロリ菌を除菌する際に、低い容量でも効果を発揮する傾向にあります。
保健科学東日本が行っているCYP2C19に関する薬物代謝酵素関連遺伝子検査を受けると、自分自身がどのような体質なのか知ることにつながるのです。
前述したように日本人は5人に1人の割合で活性が低いPoor Metabolizer(PM)とされているため、この検査を受けるメリットは大きいです。
プロトンポンプ阻害剤や抗不安薬、抗うつ薬などは、誰もが飲まなければいけない状況になる可能性があるものです。
薬を処方してもらうのであれば、効果を発揮するかどうかが重要になります。
人によって薬の代謝機能は差が大きいため、保健科学東日本が行っている薬物代謝酵素関連遺伝子検査を受け、自分自身を知ることは重要です。