保健科学東日本が受託している抗酸菌同定検査(質量分析法)とは
増加傾向にある感染症の中に、非結核性抗酸菌症という病気があります。
非結核性なので人から人へ感染することは基本的にないと言われています。
この病気は、COPD(肺気腫や慢性気管支炎)や気管支拡張症などの病気を罹患した経験があると発症しやすいです。
性別や年齢による差もあり、中高年の女性が罹患するケースが多く見られます。
その理由ははっきりとしていません。
非結核性抗酸菌症は、結核菌と同じグループに属する抗酸菌が原因となるため、結核の専門医が診療に取り組んでいる病気です。
検査に関しては、保健科学東日本でも受託しています。
結核菌は人間や動物の体内でしか生息できません。
しかし非結核性抗酸菌は、土壌や水中にも生息しています。
自然の水辺よりも、噴水や風呂など人工的な場所に生息すると言われているため、非結核性抗酸菌も身近な存在です。
感染力もそこまで強いわけではないため、抵抗力が弱まっている時以外は心配する必要がない存在とも言われています。
そんな非結核性抗酸菌症は、保健科学東日本が実施している抗酸菌同定検査(質量分析法)で調べることができます。
抗酸菌を検出するための検査方法は、塗沫検査、培養・同定検査、遺伝子検査の3種類です。
PCR法やDDH法などを使った遺伝子検査を活用するケースも多いです。
しかし、遺伝子検査(DHH法)を行ってもおよそ170種類存在する抗酸菌のうち18種類しか同定できませんでした。
それに対して保健科学東日本が行う抗酸菌同定検査(質量分析法)は、微生物同定検査です。
この方法を用いると、160種類もの抗酸菌を同定できます。
16SrRNA遺伝子解析との相関性もあり、菌種レベルの一致率はおよそ91%と非常に高い制度になっています。
保健科学東日本の検査を利用すれば、精度が高いのでかなり確実な結果を手にできることがわかります。
保健科学東日本が受託している抗酸菌同定検査は前述したように質量分析法です。
この分析方法は、DDH法と比べると所要日数も短くなっています、DDH法だと3日~10日ほどかかっていたものが、質量分析法だと2日~8日ほどで完了します。
同定できる菌の種類が豊富なこと以外にもメリットがあるのです。
保険点数に関しては、DDH法が410点、質量分析法は361点です。
このことから、検査を受ける人の負担も軽減できると言えます。
検査を行う際の負担を軽減し、精度もアップしていることから、保健科学東日本の抗酸菌同定検査(質量分析法)を受ける価値は大いにあります。