保健科学東日本が受託している結核性髄膜炎検査について

"様々な医療機関からの検査を受託している保健科学東日本では、結核性髄膜炎検査も取り扱っています。
これまでに蓄積した多くの検査技術から医療現場の声を受け止めて、検査項目の開発にも取り組んでいます。
初期は異常が認められないことも多い結核性髄膜炎は、真菌性髄膜炎と共に慢性の経過を辿る髄膜炎の一つです。
結核性髄膜炎検査では髄液の検査が重要になってきますが、他にも髄液を用いた顕微鏡での検査や培養検査、遺伝子検査や胸部レントゲンなども行われます。
炎症の早期発見には、スムーズな検査や項目の拡充が求められるものですが、保健科学東日本では受託検査を最適な形へと改良をしていった結果、独自の新規検査項目として結核性髄膜炎検査の受託を始めました。
全国の官公立病院や大学病院だけでなく、大手センターからも受託を始めています。
今までの検査からは陰性となったものの、結核性髄膜炎の疑いが拭いきれない場合は保健科学東日本での検査が大きな一歩となります。
結核性髄膜炎とは、結核菌によって引き起こされる病気です。
結核菌血症が起こると脳や髄膜などに感染した状態となり、脳に感染の固まりが作られた場合は脳結核腫と呼ばれます。
主な症状は頭痛、発熱、首の固まりやこわばり、けいれん、吐き気、意識が朦朧とするなどです。
海外では流行地域などがあり、主にBCG未接種の国が中心となっています。
診断には頭部MRIなど画像での検査に加えて髄液検査が必要です。
髄液検査は背中に針を刺して髄液を採取し、結核菌の培養やPCR検査を行います。
画像の検査では、結核抗原や結核菌がくも膜下腔へ広がり、過剰反応が起こることで浸出液が分泌されます。
医療体制の整っている国であっても致死率が一定数あるため、早期発見の重要性が求められているのです。
保健科学東日本の取り扱う結核性髄膜炎のNested PCR検査では、日本大学医学部の病態病理学臨床検査において専門分野の医師である中山智祥教授によって技術供与を受けています。
結核菌の検出が困難となる髄液の検体から迅速で高感度の結核菌DNAを検出可能です。
さらに受託検査に最適な形に改良を行った結果、2005年5月からは保健科学東日本独自の新規検査項目として多くの医療機関から受託をしています。
専門学会からも高い評価を得ているため、検査受託先も増えていて注目されていることがわかります。
早期検査が早期発見と治療に役立つものとなり、素早い病名判断のきっかけにもなっています。
"