保健科学東日本での集団検査ならびに学童検査の内容と流れ

日本では、企業や学校など各団体に所属する構成員の健康診断受診が、労働安全衛生法や学校保健安全法という法律によって義務付けられています。また、地域住民の健康管理のために定期的に健康診断を実施している地方公共団体も数多くあります。保健科学東日本は、すべての人が日々の生活をより健康的に過ごせるよう、集団検査や学童検診という形でサポートしており、現在は検便検査と検尿、蟯虫卵検査を行っています。

保健科学東日本の検便検査では、食中毒や感染症の原因となる病原菌を腸内に保有しているかどうかを調べます。食品取扱従事者や学校給食従事者など食べ物に関わる仕事に携わっている人はもちろんのこと、介護事業者なども定期的な検査が必要になります。また、バザーや文化祭など学校で催される飲食物を扱うイベントでも、取り扱う担当者は地域の保健所に検便検査結果を提出しなければならない場合があります。保健科学東日本では、赤痢菌とサルモネラ菌の二種類か、大腸菌O-157を加えた三種類の検査から選択が可能です。検査結果は10日前後で判明します。ノロウィルスEIAまたはRNAの検査は、早ければ1、2日で判明します。

検尿は、尿中の蛋白や糖などの量を調べることによって健康状態をチェックできる、非常に便利な検査です。腎臓や膀胱などの病気をはじめ、心臓などの内臓疾患、さらにはストレスなどの精神神経に関わる病気までもが尿成分からわかります。兆候の見られない病気の早期発見や予防にもつながるため、初診時に尿検査を行う病院も少なくありません。成人だけではなく、子どもの健康管理に大いに役立つため各学校で年に数回実施されています。保健科学東日本での検査内容は糖、蛋白、潜血で、必要に応じて沈渣をプラスできます。蟯虫卵検査では、腸内に寄生する蟯虫の卵があるかどうかを調べます。蟯虫感染症は衛生環境の改善に伴って日本ではだいぶ減ってきてはいるものの、世界中で発生しており完全に無くなったという状況ではないため、家族内感染を防ぐためにも検査が有効です。

集団検診や学童検診を実施する流れとしては、まず実施日や検体の受領方法などを相談しながら決定します。実施日に合わせて容器や依頼書が届くため、特別に用意するものはありません。保健科学東日本に検体が届き次第、スムーズに検査が実施されます。結果報告書は、陽性反応が見られ場合は早急にFAXで送付してくれるため、必要な治療を速やかに開始できます。原本は後日郵送されます。