血液検査を実施している保健科学東日本

健康診断で欠かせない検査項目に血液検査があります。血液を採取することで、体内におけるさまざまな情報を収集できます。血糖値やコレステロール値、γ-GTPなどは医学の専門知識を持っていなくてもきいたことがある方も多いはずです。現在ではわずかな量の血液を採取できれば、早期のがんやアルツハイマー病を診断する方法も発表されています。このように血液検査は、私たちがいつまでも健康的に生活できるような高いポテンシャルを持っています。

医療関係の検査を各種実施している保健科学東日本では、血液検査にももちろん対応しています。血液学検査室を施設内に有する保健科学東日本は、主に血球数算定と凝固系検査をメインに取り扱っています。まず血球数算定は、重度の貧血や異常細胞の出現に関するチェックを行う検査です。保健科学東日本ではXE-2100というSYSMEX社製の機器をメイン測定器として導入しました。スピーディーに測定を行えるのが大きな特徴です。このため、検査結果は検査翌日に通知可能です。もう一つの凝固系検査は一般項目のほかにも、アンチトロンビン3、FDP定量、Dダイマー定量の測定が対象です。これら多様な検査項目を一気にチェックすることで、DICなどの緊急状態を迅速にスクリーニングできます。迅速かつ正確なデータを通知してくれるので、医学界でも保健科学東日本は注目の存在です。

このような検査で怖いのは、検体の取り違えです。検体を取り違えると、異なる結果を通知する形になって、重大な病気の発見が遅れ、治療が間に合わないという最悪の事態も引き起こしかねません。保健科学東日本ではこのようなミスが起こらないように、すべての検体を対象にバーコードが付けられるシステムを確立しました。このため、個人データと検体が自動的にひも付けられる仕組みになっていて、取り違えの起こらない体制となっています。

さらに搬送ラインを通じて、検体の測定やスライドの作成、染色、再検査の必要性の有無についてすべて自動で行っています。システムが整備されているため、正確でスピーディーな結果報告が可能なわけです。しかも保健科学東日本で測定されたデータについても、すべて専用のシステムにより保管・管理されています。過去に検査経験のある患者の場合、再検査をすれば前回の数値との比較も可能です。また関連する検査のデータも残されているので、より精度の高い診断ができるようになります。