保健科学東日本で受託しているAsp f1検査とは
多くの検査項目を受託している保健科学東日本では、Asp f1検査の受託も行っています。
Asp f1検査は血量9mlを採決して行われる検査であり、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)の診断に役立てられています。
保健科学東日本でも行っているAsp f1検査は、特異的IgE(シングルアレルゲン)FEIA法という判断基準によって検査されるものです。
6クラスによって検査結果の判定がなされ、特異的IgE抗体価が0.35未満であれば陰性、0.35~0.70未満の場合は疑陽性、0.70以上なら陽性として判断されます。
アレルギー性気管支肺アスペルギルス症は、真菌が原因で発症する疾患であり、胞子が気道で発芽・定着すると気道内アレルギーを引き起こします。
これにより、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症を疑い、Asp f1検査を行うことになるのです。
Asp f1検査は、保健科学東日本では2021年10月より受託開始となりました。
アレルギー気管支肺アスペルギルス症は、重症の喘息患者や嚢胞性(のうほうせい)繊維症患者に発症するケースが多いです。
また、免疫力が低下している人や、肺に空洞性の病変がある人などもこの感染症を引き起こす場合があります。
発症すると、咳やゼーゼー・ヒューヒューといった喘鳴が生じ、発熱や軽度の喀血が見られる場合もあり、放置するのは慢性的な肺損傷がきたす可能性があり危険です。
治療の際はコルチコステロイドの薬剤が投与されますが、通常の喘息患者と比べると薬がなかなか効きにくいとされており、食欲不振や息苦しさを訴える患者も少なくありません。
アレルギー性気管支肺アスペルギルス症は、再発を繰り返すことで呼吸不全を引き起こす恐れもあり、早期の診断と治療が重要となっています。
医療機関では、この感染症が疑われた場合、胸部X線検査や血液検査、皮膚テストなどを行います。
胸部X線検査では、気管支の内側に痰が詰まっていないか、また気管支が拡張しているなどの変化が見られないか確認されるのが一般的です。
保健科学東日本で行っているAsp f1検査は、こうしたアレルギー性気管支肺アスペルギルス症を疑う患者の血液検査に該当します。
Asp f1検査は、胞子発芽後に分泌されるアレルゲンコンポーネントとなっており、診断に有用とされています。
また、より精度の高い診断をするために、アスペルギルスの検査に加えてAsp f1検査を行うケースが多く、重要な検査の1つです。
保健科学東日本では、Asp f1検査以外にも多くの検査を受託しており、医療機関の進歩に寄与し、検査領域拡大に努めています。